【動画（8分20秒）】働き方改革関連法によって新しくなった労働時間の上限規制について-松崎基憲弁護士

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この動画の内容

動画（8分20秒）

この動画をご覧いただくと・・・

• 法定労働時間が分かる
• 36協定での労働限度時間が分かる
• 特別な事情（特別条項）での労働限度時間が分かる

労働時間の上限は実は全部で３段階あります。

労働時間の3上限

1.法定労働時間
　週40時間、1日8時間

2.36協定を締結すれば
　限度時間：時間外労働月45時間、年360時間まで

3.臨時的な特別の事情があれば以下の上限まで可（特別条項）
・時間外労働年720時間まで
・時間外労働と休日労働の合計が月100時間未満
・時間外労働と休日労働の合計が2〜6ヶ月間の月平均80時間以下
・時間外労働が月45時間を超えることができるのは年6回まで

1.法定労働時間

週40時間、1日8時間

これを少しでも超えて会社側が労働者を働かせた場合には、労働基準法違反の罪が発生します。
但し、会社側の代表と労働者側の代表が結ぶ36協定というものがあれば、この労働時間を超えて労働者を働かせることが出来るようになります。

この36協定にも限界があり、

2.36協定を締結すれば

限度時間：時間外労働月45時間、年360時間まで

法定労働時間の、1日8時間、週40時間を超えて働かせた部分（＝時間外労働）は、月45時間、年360時間までとなっています。

3.臨時的な特別の事情があれば以下の上限まで可（特別条項）

ですが、この時間をさらに超えて働かせたいという場合に、特別条項を使うという方法があります。
この特別条項は36協定内に定めるのですが、臨時的な特別事情で発動でき、残業時間をさらに伸ばすことが出来るようになります。

臨時的な特別な事情の例

臨時的な特別な事情の例

• 予算、決算業務
• ボーナス商戦に伴う業務の繁忙
• 納期のひっ迫
• 大規模なクレームへの対応
• 機械のトラブル対応

この特別条項はこれまで青天井で条件がなかったのですが、働き方改革関連法によって条件が設定されました。

特別条項４つの条件

• １.時間外労働年720時間まで
• ２.時間外労働と休日労働の合計が月100時間未満
• ３.時間外労働と休日労働の合計が2～6ヶ月間の月平均80時間以下
• ４.時間外労働が月45時間を超えることができるのは年6回まで

※2.3は、特別条項を使わない月にも適用されます。

この4つの条件を全てクリアしなければ特別条項を利用することは出来ません。

言葉ではわかりづらいので、ある労働者の1年間の残業の仕方についての表を参考に説明したいと思います。この労働者の表を参考に、先ほどの4つの条件を見てみると。

１.時間外労働年720時間まで

について、この方の時間外労働は年600時間ですので、1つ目の条件はクリアしていることが分かります。

２.時間外労働と休日労働の合計が月100時間未満

について、この方の時間外労働と休日労働の合計を見てみると、6月、時間外労働時間40時間、休日労働時間60時間で合計が100時間になっており、100時間未満になっているのアウト。

３.時間外労働と休日労働の合計が2～6ヶ月間の月平均80時間以下

時間外労働と休日労働を足して、どの2ヶ月、3ヶ月（・・・6ヶ月）をとっても、平均が月80時間を超えてはいけないのですが、この方の働き方を見てみると、9月、10月、11月の3ヶ月の月平均は81.66時間となっており、80時間を超えてしまっているので、労働基準法違反となっています。

４.時間外労働が月45時間を超えることができるのは年6回まで

この方の時間外労働の表をみると、4月、5月、9月、11月、12月、2月、3月と全部で45時間労働をさせている月が7回と、6回を超えているので、これも労働基準法違反となっています。
ですので、このようにならないように、常に時間外労働と休日労働の時間をチェックしていかないといけないということです。

これが労働時間の上限規制です。

これらは、
大企業は2019年4月1日より実施。
中小企業は2020年4月1日より実施されています。

上限規制の適用猶予・適用除外

今回の労働時間の上限規制は、ある業種、ある人たちにについては適応が除外されていたり、適応が5年ほど猶予されています。

• 自動車の運転業務
  • 改正法施工5年後に年960時間以内で適用
    • 100時間、80時間の規制はない
    • 年6回の規制もない
• 建設事業
  • 改正法施工5年後に適用
    • 復旧・復興の際は、100時間、80時間の規制はない
• 新技術、新商品等の研究開発の業務
  • 医師の面接指導等の措置を設けた上で適用除外
• 指定業務（鹿児島県、沖縄県の砂糖製造業ほか）
  • 適用する（改正法施工後5年間は100時間、80時間は適用しない）
• 医師
  • 改正法施工5年を目処に適用する

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